こんにちは、藤島です。
関東地方は、2021年より8日早い6月6日に梅雨入りをしました。九州南部よりも早い梅雨入りは珍しく、17年ぶりだということです。
新学期に入り、ゴールデンウィークも過ぎ、こどもたちはそろそろ学校にも慣れてきた時期です。学校には慣れてきましたが、学校生活での困りごとが出てくる時期でもあります。例えば、「体操着を持たずに登校してしまった」、「保護者宛の連絡プリントを出し忘れた」、「翌日の準備をせずに寝てしまった」など、思い当たることはありませんか?
弊社の『ぼうけんてちょう』には『おうちルール』というページがあります。おきてからやること、かえってからやることを付箋に書いて左のページに貼り、右ページの○側に記入していない付箋を貼り、できたら×側に付箋を移動させることで、チェックリストとしての機能を果たします。日々のルーティンややるべきことを「見える化」することで、こどもが自主的に行動に移せる仕組みを構築しています。こどもと一緒にルールを設定してみましょう。
詳しくは『ぼうけんてちょう』の掲載内容をご紹介した下記のリンクをご覧ください。
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整理・整頓と後片付けから身に付く能力
親からこどもに伝えたいマナーは、たくさんあるかと思います。マナーとは、相手への気持ちを行動に表したもの、社会生活をしていく上で気持ち良く生活するための知恵や気遣いとも言われるものです。マナーはコミュ二ケーションを円滑に行うための潤滑油でもあります。
その中の1つに「整理・整頓」というものがあります。大人にとっては当たり前の整理・整頓ですが、こどもにはまだ理解できていません。しかし、整理・整頓や後片付けを習慣化することで、社会のマナーを早いうちから身につけることができます。
こどものうちは、こどもだからと優しく見てもらえることもありますが、大人になるとそうはいきません。親からマナーを教わることで、相手を思いやる心を育て、他人に迷惑をかけずにすむようになります。マナーを伝えることは、とても根気がいりますが大切なことです。
整理・整頓をする作業は、様々な力を必要とします。自分で考えて片付けることで、次のような力が身に付くと言われています。
段取り力
効率のよい片付けをするためには、合理的な行動手順を考える力が必要とされます。片付けの手順を考えることによって、物事の優先順位を考える力が育ちます。「自分の物は自分で片付ける習慣」によって、責任感・自立心・自主性が養われます。
決断力
片付けをしていると、捨てるのか?取っておくのか?どこにしまうのか?といった選択を迫られます。こういった小さな決断を繰り返すことで、大きな選択を迫られた時に、戸惑わない決断力が育ちます。また、小さな失敗を繰り返すことで、軌道修正力やくじけない強い心も育ちます。整理・整頓を通じて「自分が管理できる量」を体験的に知ることができ、それによって「足るを知る」ということを学びます。自分が何を持っているかを把握できれば、必要以上に物を欲しがらなくなります。
物を大切にする力
思い入れのあるものを手放すときには、こどもなりにいろいろなことを感じているはずです。片付けは単なる家事ではなく、自分の持ち物としっかり向き合う気持ちを育ててくれます。今あるものを長く大切にする心も芽生えます。それは、人を大切にする心にも繋がっていきます。
集中力
片付いたきれいな部屋は落ち着いた環境です。そのような環境は、こどもの集中力を高めることにも繋がります。何がどこにあるか、一目でわかれば効率よく学習ができるため、成績が自然に上がるとも言われています。
空間把握力
整理・整頓をするには、ものの大きさを捉える必要があるため、空間把握の訓練に繋がります。自分のスペースを整理・整頓することで、「空間」をより効率よく使えるようになります。作業効率が上がるのはもちろんのこと、きれいな状態を保つ努力を自分自身がすることで、こどものやる気と心の成長を促します。
感謝の気持ち・思いやりの気持ち
こどもが自分の持ち物を整理・整頓して、きれいに保つことは容易なことではありません。この大変さは、毎日部屋を片付けている親が一番わかっているはずです。きれいな状態を保つには、手間と労力がかかります。そのことをこどもが理解することで、他人への感謝の気持ちを育むことができます。
他にも様々な効果が
整理・整頓ができるようになると、探し物が減り時間の無駄がなくなります。何度も同じものを買ってしまうという無駄もなくなります。それは、環境への負荷を減らすことにも繋がり、SDGsの面でも意味があります。きれいに整理・整頓された空間は、精神的な安定をもたらすため、自己管理にも効果的です。
このような力は、今後の学習や社会に出たときに応用できるものです。整理・整頓をして部屋が片付くことで、達成感や満足感が得られます。そして、ものを探さなくてすむので、時間の有効活用もできるなど様々なメリットがあります。
こどもの自立心を育てよう
親は「こどもには、将来、自立できる子になって欲しい」と願っているのではないでしょうか。ここでいう「自立」とは、自分のことは自分でできるようになる、ということです。自分が出したものは自分で片付ける、整理・整頓もその1つです。
では、どうやって自立心を育てればよいのでしょうか?散らかっているおもちゃを親が片付けてしまうことがあると思います。そんなときは、ぐっと我慢して、一歩下がってこどもを見守ってみませんか。まずこども自身に、散らかっている状況に気づいてもらうことから始めましょう。そして気づきから行動を起こせることが、自立への第一歩です。自立心を育てるキーワードは「気づき」・「判断」・「行動」です。確実にできる方法で、継続的に行うことが大切になります。
掃除をしやすい環境作りをする
こどもが低学年のうちは、リビングで遊ぶことが多いと思います。リビングは家族がくつろぐ場所でもあるので、いつもきれいにしておきたいものです。掃除をしやすい環境を作るために、リビングに『こどものためのコーナー』を作ってあげましょう。こどもの動きをよく観察し、動線に合った収納方法や仕組み(環境)を作ります。仕組みができれば、こどもは自然と後片付けができるようになります。夏休みに入るまでの大切なこの時期、忘れものが多いと学習に不都合が出てしまいます。何度も繰り返すと「またやってしまった」という気持ちになり、自己肯定感が下がってしまいます。
ランドセルの置き場所を決める
朝起きたら、歯磨きをして、顔を洗って、着替えをするなどの身支度はもちろん、時間割通りに教科書を揃え、持ちものの確認をしてランドセルに入れるなどの流れをスムーズにするためにも、 ものの基本的な定位置の決定が大事です。定位置が決まっていないと、どこに何があるのかわからなくなってしまったり、探していることで時間を使い遅刻をしてしまうといった悪影響に繋がります。
片付けの決まりごととして、「よく使うものほど定位置化」することが重要です。学校で使う物を1ヶ所にまとめて置ける収納スペースを作ってあげましょう。ランドセル、教科書、ノート、手提げカバンなどを、ひと目で見渡せる収納法にすることで、1人で支度をしても忘れものを防げます。
低学年のうちは、リビングのテーブルでの学習がメインというご家庭も多いと思います。ランドセルはリビングの一角に置く場所を決めてあげて、収納するという習慣を身に付けさせれば自発的に動けるようになります。
「整理・整頓」とは、不要なものを捨てて、自分の使うものを使いやすい配置にすることです。この能力は、生まれながらに備わっているわけではなく、普段の親の行動や、学校などの集団生活で人がしている方法を見たり真似したりして、実践しているうちに自然と身に付いていく後天的な能力です。片付けが苦手な親にとっては耳の痛い話ですが、ものが散らかった環境で育ったこどもは、それが普通と感じてしまいます。このことから、しつけの一環としてこどもに片付けを覚えてもらうことが重要です。
「目に見えるものを整理すると、目に見えないものを整理する力も付く」と言われています。ものを収納する「空間」には限りがあるように、1人の人間が使える時間や労力にも限りがあります。時間も、お金の使い方も、大量に入ってくる情報、人間関係にも整理が必要です。整理・整頓や片付けは、生活に密着した作業であり、その人の人生の価値観が表れる部分でもあります。清潔感や美的感覚にも影響すると考えられています。整理・整頓をきちんと教えられているこどもは几帳面な性格が多いと言われています。こどものうちから片付けができるということが、将来社会に出てからも役に立つことになるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は、整理・整頓をすることで身に付く力についてお話ししてきました。こどもが将来、家を離れて一人暮らしをする様になったときも整理・整頓がしっかりできていれば、よい環境で過ごすことができ、人生を楽しむことができるのではないでしょうか。