用語集ー②組版編

こちらの項目では組版時に使用される用語を説明していきます。

DTP DTPとはDesk Top Publishingの略で、卓上出版、卓上印刷と呼ばれます。パソコンを用いて印刷物の紙面をデザイン・制作し、印刷まで可能です。チラシや冊子、書籍や新聞など、制作物は多岐にわたります。
Adobeアドビ Systemsシステムズ 画像処理やイラストの制作、DTP関連の製品に強みを持つソフトウェア開発企業です。代表的な製品に、イラスト作成ソフト「Adobe Illustrator(イラストレーター)」、フォトレタッチソフト「Adobe Photoshop(フォトショップ)」、レイアウト編集ソフト「Adobe InDesign(インデザイン)」があります。環境を問わず文書を同じように表示・印刷できる「PDF」や、その作成・編集に用いられる「Adobe Acrobat(アクロバット)」と「Acrobat Reader」などがあります。
Adobeアドビ Illustratorイラストレーター イラストや図形の描画・編集ソフトです。ベクター形式の図形や文字などを組み合わせて図表やイラスト、デザインなどを制作する、「ドローソフト」と呼ばれる標準的なソフトです。
Adobeアドビ Photoshopフォトショップ 画像の編集ソフトです。写真などの画像を編集・加工する「フォトレタッチソフト」と呼ばれる標準的なソフトです。
Adobeアドビ InDesignインデザイン ページデザインとレイアウトのソフトです。書籍・冊子などの紙面をレイアウトする「レイアウトソフト」と呼ばれる標準的なソフトです。
Adobeアドビ Acrobatアクロバット PDFファイルを作成・編集するためのソフトです。ExcelやWordなど他のアプリケーションソフトで作成した文書をPDFファイルに変換したり、ひとつのPDFファイルに複数のファイルを挿入できます。
Acrobatアクロバット Readerリーダー PDFファイルを閲覧するためのソフトです。制作・編集はできませんが、閲覧することはできます。
PDF Portable Document Formatの略で、Adobe Systems社が開発した電子文書の規格です。WordやExcelなどのファイルをPDFファイルに変換し、違う環境下でも同じ形で共有することができます。
CMYK シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)を混ぜ合わせることで色を表現します。理論上はあらゆる色を表現することが可能です。印刷物では、CMYK4色のインクの割合をどうするかで色が決まります。1色が0%~100%で指定できますが、実際の印刷では細かい色の差は表現できないため、RGBに比べて表現できる色は少ないです。
RGB 赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の比率を変化させ色を表現する方法です。ディスプレイでは、「加法混色かほうこんしょく」(光の三原色を混合して色を表現する方法)による処理をし、フルカラーで映し出します。
CTP Computer To Plateの略で、印刷をする際に使用される版を指します。コンピュータで読み取ったデータを版に直接出力する方法です。
DICディック DIC株式会社が製造する特色インキのことです。色の認識のずれを無くすために使用されるDICカラーガイドがあります。
JPEGジェイペグ 画像データのファイル形式です。情報の一部を減らす不可逆圧縮方式で、サイズの大きい画像を保存するときに利用されます。
JISジスコード 国際的な文字コード規格に沿って作成された日本語の文字コードのひとつです。
Openオープン Typeタイプ Fontフォント フォントのフォーマットのひとつで、Adobe社とMicrosoft社で開発したものです。True Typeフォントに比べると高度な構成になっており、Windows OSとMac OSとの間に互換性があります。
Trueトゥルー Typeタイプ Fontフォント フォントのフォーマットのひとつで、Adobe社とMicrosoft社で開発したものです。Open Typeよりも早くに開発され、利用されてきた期間が長い分、True Typeの使用環境が整っている現場が多いです。しかし、シンプルな構成ゆえにWindows版とMac版の間に互換性が無いという弱点もあります。
PostScriptポストスクリプト Adobe Systems社が開発したページ言語です。PSとも呼ばれます。テキスト形式で図形をページにどのように描くか、文字をどう配置するか、カラーは何色かなどを記述することができるプログラミング言語です。高解像度でも美しく印刷できます。
フォントのアウトライン データ制作時に入力した文字を、点と線の情報のみの図形化することを「フォントのアウトライン化」といいます。パソコンによって環境が異なるため、そこで起こる文字化けなどを未然に防ぐことができます。
網点あみてん 印刷上で色を表現する細かい点です。ハーフトーンとも呼ばれます。点の密度の変化により、色の濃淡を表現します。
解像かいぞう 「画像や写真、映像のデータを構成する密度」を指しています。単位はdpi(dotsドット perパー inchインチ)、またはppi(pixelピクセル perパー inchインチ)です。画像データは拡大すると分かりやすいですが、多くのドットが集まってできています。解像度が低いものは画像がぼやけたりするため、綺麗に印刷するためには、画像解像度の設定を適切に行う必要があります。
拡張子かくちょうし ファイルの末尾についている「.jpeg」などのことです。そのファイルがどのようなファイルなのかを判別できるようになっています。
すう級数きゅうすう 歯数は文字と文字の間隔(おくり)や行と行の間隔(行送ぎょうおくり)を表す単位であり、級数は文字の大きさを表す単位です。「歯」は「H」とも表記され、「級」は「Q」とも表記されます。1歯=0.25mm=1級なので歯数と級数は同じサイズですが、歯数は言葉の成り立ちから、本来は歯車の数で字送り・行送りのことを示し、級数は文字のサイズのみ示すことが一般的です。
版面はんづら 全ページレイアウトの基本になる、文字や画像が入る面です。四方の天地小口に余白を残します。
文章の内容を分かりやすく表した表題です。文章のはじめに、目立つように太めのフォントなどで置かれます。
はしら 各ページの版面の外側に配置される、書籍名や章の見出し名を記すものです。
罫線けいせん 紙面の区切りや飾り、囲みに用いる線です。単にけいともいいます。単純な一本線や太い線、装飾のある線(かざけい)なども含めたすべての線を指します。
検版けんぱん 完成した版下や試し刷りが指示通りに仕上がっているか検査することです。
刷版さっぱん 印刷する際に使用する版のことです。刷版の多くはアルミの版を使用し、アルミの版の上に特殊な薬剤を焼き付けることで文字や画像部分にインキが着くように加工し、印刷用の刷版を制作します。刷版にはアルミ以外にもマスター印刷と呼ばれる紙ベースの刷版もあります。これらはアルミの版ほど正確性や耐久性がないため、主に単色印刷で小ロットのものに使われます。
はん 校正が完了し、印刷工程に引き渡す段階のことです。下版は全ての確認が完了し、本番の印刷に入ってよいことを印刷業者に伝える役割も持ちます。下版の段階では印刷工程に進むため、内容の修正や変更は困しいので、最終的な校正や確認を徹底して行うことが重要です。
再版さいはん 最初に刷り出した版と同じものを使用して再び刷版を出すことです。そこから、既存の印刷物を再度印刷することも指します。
写真や絵柄などをページの仕上がりいっぱいにレイアウトする際、絵柄を仕上がり線ぎりぎりにレイアウトすると、断裁時の誤差などで紙の周囲に白地が出てしまう場合があります。これを防ぐため、絵柄を3mmほどはみ出させて作ります。このはみ出させた部分のことです。
めん 本や冊子などの複数ページの印刷物を制作する際に、印刷紙が製本時にページ順になるように配置することです。
トンボ 印刷物の断裁位置や、各インクの刷り位置を合わせるための目印となるマークです。十字トンボの形が、昆虫のトンボに似ていることから名付けられました。
ノンブル ページ番号のことを指します。出版社や印刷会社などではペー ジ番号を付けることを「ノンブルをる」といいます。
正体せいたい長体ちょうたい平体へいたい 文字を変形させることで、デザインやスペースの関係上、文字の縦横の幅を変形させることです。正体がそのまま、長体は文字の横幅を狭くし細長くしするもので、平体は文字の高さを低くし平べったくしたものです。
イタリックたい 文字を傾けたようなデザインの、アルファベットの書体のひとつです。文章の中で強調する部分などに使用されます。
文字が他の文字や記号に変化して表示、出力されることです。原因として、文字データを制作した環境と異なる環境でファイルを開いた際に、対応したフォントデータがない場合に起こります。
キャプション 文書中に掲載された写真や挿絵、図、表などを説明した文章です。
リッチブラック 通常のKにCMYのインキを加えて、Kインキだけでは表現できない、深みのある黒を表現する設定です。インキの組み合わせによって様々な黒を表現することができますが、CMYKの合計値が高くなり過ぎると、インキの量が多くなり、裏移りなどの印刷トラブルの原因となります。
モノクロ モノクロームのことであり、単一のカラーです。一般的にモノクロは白黒のカラーだけで表現された画像や写真のことを指します。
だい 冊子全体の見取り図です。冊子の中で、冊子のどのページにどういった内容がどれだけ入るのかを配置する設計図です。「台割り表」「ページ割り」とも呼ばれます。
ベクターぞう 複数の点の位置とそれを繋いだ線などを数値データとして記憶し再現するデータ形式です。ロゴや地図、単純なイラストなど図形的な表現が得意です。数値で管理しているので、データ量も小さく変形がしやすく、拡大縮小にも強いです。その反面、数値で表現されているので細かい描写などは表現するのが難しいです。Adobe Illustratorなどのがこの形式です。
ラスターぞう 点が縦横に無数に並び構成されたデータ形式です。濃度が違う点や様々な色の点を多く並べることで、複雑な写真を表現することが可能です。スマホのカメラやデジカメで撮影した写真はこのデータです。しかし拡大縮小に適さず、サイズ変更すると点の配置にずれが生じてギザギザになり、画像の品質が落ちます。Adobe Photoshopなどがこの形式です。
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