こんにちは。小宮です。
非認知能力がこどもにとって重要であることは、多くの人が認識するものとなっています。
非認知能力とは学力テストや偏差値などの数値では測れない、生きる力そのものの能力を指します。この能力は近年の社会構造の変化や先行きが不透明な状況を受け、より関心が高まっています。
「2022年:非認知能力ならびにキャリア教育に関する調査(イー・ラーニング研究所調べ)」では、9割の親がこどもにとっての非認知能力の重要性を認識しているとしています。
今回はその非認知能力の1つである自制心(セルフコントロール)についてお話しします。
自制心とは
自制心とは、自分の感情や衝動を知ってコントロールできる力、また、目の前の欲求を先延ばしにすることができる力のことです。この力はただ我慢をする能力ではなく、目標を達成するために行動を抑制し、変えることができる先を見通す力のことです。
自制心のあるこどもは、遊びたい衝動を抑えて宿題に取りかかる、テレビを見る時間の制限ができる、といった傾向が見られ、学校の成績にも大きく影響します。
こどもの自制心は3~4歳頃から発達を始め、7歳くらいになると自分の感情をコントロールできるようになるとされています。
自制心を身に付けることは、学校生活で大いに役立ちます。
自制心を身に付けると得られるもの
こどもの頃に自制心を身に付けることで得られる効果としては以下のものがあります。
- 集中力がつく
- 継続力がつく
- 我慢強くなる
- 時間を守れるようになる
- 人の話を聞けるようになる
こどもの頃に身に付けた自制心で得られるこれらの効果は、大人になった時の学力や所得、健康に影響するとアメリカデューク大学の研究や、『米国科学アカデミー紀要』に掲載された論文にて発表されています。
これは、自制心が高いこどもは、失敗や挫折を経験しても、感情や欲求をコントロールし、課題に向き合うことができるためといわれているからです。
自制心を身に付けることの重要性
自制心を身に付けることが重要である理由の1つに、非認知能力には身に付け伸ばす順番がある、ということが挙げられます。
ニューヨークを拠点とする非営利団体ターンアラウンド・フォー・チルドレンが提唱した概念の「学習のための積み木」では、非認知能力には伸ばす難易度があるとしています。
積み木の上にある能力ほど身に付ける難易度が高く、土台となる能力を身に付けているほど習得が容易になると提唱しています。この土台となる能力の1つが自制心です。
様々な非認知能力を身に付けていくためにも、自制心を高めていくことは有用なのです。
こどもが自制心を身に付けるためには
こどもが自制心を身に付けることができる場面は日常の中で多くあります。日々の生活の中で意識して自制心を高めていくことが理想です。
ここでは自制心を高める取り組みの例を挙げます。
家庭でのルール作り
こどもの自制心を身に付ける上で有効な手段の1つとして、家庭でのルール作りが挙げられます。
朝や学校から帰ってからの時間での家庭内ルールを決めます。行動を習慣化しルーティンを作ることでやることが明確になるので、こどもがテレビや遊びに惑わされにくくなります。この時、ルールはあまり多く設定しない方が習慣化しやすくなります。
また、ルールをこどもと考え、その意図を説明することで親子の信頼関係を深めることができます。
弊社商品のこども向け手帳『ぼうけんてちょう』のおうちルールには、朝に起きてからと、学校から帰ってきたあとのルールを記入することができます。
自分が何をする必要があるのか一目でわかるようになるので、やるべきことが明確になり、こどものルーティンの定着にお役立ていただけます。
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遊びの中で身に付ける
自制心はゲームや遊びの中で能力を高めることができます。
自制心を身に付けることができる遊びの代表例としてよく挙げられるのが、「だるまさんが転んだ」です。オニのかけ声に対して自らの意志で止まることで自制心を高めることができます。
その他にも、かくれんぼやこおりおに、ボードゲームなどルールのある遊びで楽しみながら自制心を育むことも良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。自制心は身に付けることで将来に様々なメリットがあります。また、自制心以外の非認知能力を身に付けるうえでも、自制心を持つこどもはその習得が容易になるなど恩恵が多くあります。
身に付ける方法は色々な手段があるので、こどもに合ったやり方で自制心を身に付けていきましょう。