こんにちは。小宮です。
こどもの計画力は、その能力を育むことで将来的に自分を成功に導くための重要なスキルの1つになります。計画力があるこどもは、目標を定め、効果的な計画を立て、自分自身を成功に導くことができます。
しかし、計画力を育てることは簡単ではありません。こどもたちは、自身の時間を管理する方法や、目標を設定することを学ぶ必要があります。今回は、こどもたちが計画力を育むために必要なスキルや方法について説明し、こどもたちが自分自身を成功に導くために必要な計画力を身に付けることができるようお話しします。
計画力とは何か?
計画力とは、将来の目標を達成するために必要な手順を設定し、それを遂行するための能力です。計画力を持つ人は、目標を達成するために必要な手順を考え、優先順位をつけ、スケジュールを組むことができます。また、計画が実行される過程で生じる障害に対処するために、代替案を考える柔軟性も持っています。
経済産業省が2006年に「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として提唱した「社会人基礎力」において、計画力は課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力として重要な能力のひとつとされています。
計画力は、個人だけでなく組織や企業にとっても重要な能力です。組織や企業が計画力を持っている場合、目標を達成するための優先順位が明確になり、資源が最適に活用され、生産性が高まります。また、計画が実行される過程で生じる問題を迅速かつ効果的に解決することができます。計画力は目標達成に欠かせない重要なスキルです。
こどもが計画力を持つことの利点
こどもが計画力を身に付ける利点は多くあります。以下にそのいくつかを挙げてご説明します。
目標達成
計画を立てることで、目標達成に向けたステップを明確にすることができます。これにより、こどもは将来の夢や希望を実現するために必要なことを把握し、自分で行動を起こすことができます。
自己管理
計画力を身に付けることによって、自己管理能力を高めることができます。計画を立てることで、子どもたちは自らの目標を達成するための段取りを考え、その中で自己調整や自己評価を行うことができるようになります。
ストレス軽減
計画を立てることは、将来に対する不安を軽減することができます。また、計画に基づいた行動を起こすことで、自信を持って行動できるようになるため、ストレスも軽減されます。
時間管理
計画を立てることは、時間管理能力を高め、生産性を向上させるための重要なステップです。自分の時間を効率的に使えるようになることで、別のことに使える時間も増えるでしょう。
問題解決力
計画を立てることは、問題解決力を高めるために有効な手段です。計画に基づいて行動することで、問題に対して冷静に対処することができます。また、計画を立てることで問題の原因を明確にし、効率的な解決策を見つけることができるようになります。
以上のように、計画力を持つことはこどもたちにとって多くの利点があるため、こどもたちが計画力を身に付けるためのサポートを行うことが重要です。
実際に、ベネッセ教育総合研究所の「小中学生の学びに関する実態調査(2014)」の調査では、計画を立てて勉強するこどもは、そうでないこどもに比べると、成績上位者が多いことがわかりました。
計画を立てる力は、行動や思考、感情を制御する、脳の「実行機能」と呼ばれるものの一部です。実行機能は生まれ持った能力ではなく、幼少期から訓練すればどんどん伸びるといわれています。一方、小学4年生で約半分、中学生になっても4割のこどもは計画を立てていないという結果も出ています。計画力は意識的に身に付ける必要がある能力です。
こどもが計画力を身に付けるための方法
こどもが計画力を身に付けるためには、次のようなことが役立ちます。
目標を設定する
こどもが望む結果や目標を明確にし、そのために何をすべきかを考えることが重要です。まずは達成できる簡単な目標を設定するように促しましょう。
例えば、「今週の終わりまでに、机をキレイにする」といった具体的な目標を立てると良いでしょう。
タスクを分ける
大きな目標を小さなタスクに分けると、目標に向かって少しずつ進むことができます。進捗状況を分けながらチェックすることで、こどもは進歩を感じることができます。
タスク分けに有用なツールの一例として、マンダラチャートをご紹介します。マンダラチャートは密教の曼荼羅に似た図表で、3×3の9マスの枠を複数組み合わせて構成されます。
主に目標達成のために用いられ、中心に目標を書き、周辺に目標達成に必要な要素やアイデアを記入します。効果としては、目標達成が容易になるほか、思考を整理し深めることや、優先順位の確認やアイデアの増加、チーム内での目標共有などが挙げられます。
二刀流で知られるメジャーリーガーの大谷翔平選手は、花巻東高校1年生のときにマンダラチャートを「目標達成シート」として作成していたそうです。
前出の「今週の終わりまでに、机をキレイにする」を例にしてみると、机をキレイにするために何をすべきかが明確になるので、こどもが計画を立てやすくなる効果が期待できます。

タスク分けの例
スケジュールを作成する
タスクを達成するために、期限を設定することが重要です。こどもには、スケジュール帳を使って予定を管理することを勧めましょう。このときに、家族の予定を共有することで、こどもが自分のスケジュールを立てやすくなります。
優先順位をつける
重要なタスクから先に行うことが大切です。優先順位をつけることで、時間をうまく使うことができます。
こどもには、目的や目標を完了するためにどのタスクが最も重要かを判断する方法を教えましょう。これにより、時間を有効に使うことができます。
進捗状況をチェックすること
タスクを達成するために、進捗状況を定期的にチェックすることが重要です。これにより、こどもは自分の進捗状況を確認し、必要な場合には修正することができます。
失敗を受け入れること
計画は必ずしも上手くいくとは限りません。失敗を経験することが、次回の計画に役立つことがあります。こどもには、失敗を受け入れ、次回に向けて計画を修正することを教えることが重要です。
これらのステップを踏むことで、こどもは計画力を身に付けることができます。親や周囲の大人は、こどもたちがこれらのスキルを習得できるよう、サポートすることが大切です。
まとめ
いかがでしょうか。こどもが計画力を身に付けるためには、目標の設定、タスクを分けること、スケジュールの作成、優先順位の付け方、進捗状況のチェック、失敗を受け入れることが重要です。
こどもが望む目標や結果を明確にし、そのために何をすべきかを考えることが、目標設定の第一歩です。大きな目標を小さなタスクに分け、スケジュールを作成することで、こどもはタスクを少しずつ進めることができます。また、優先順位をつけることで、こどもは時間を上手く使うことができます。
進捗状況を定期的にチェックすることで、こどもは自分の進捗状況を確認し、必要に応じて修正することができます。失敗は必ずしも悪いことではありません。失敗を受け入れ、次回に向けて計画を修正することで、より良い計画を立てることができます。親や家族はこどもが計画力を身に付けられるよう先回りし過ぎずにサポートしてあげてください。