こんにちは、小宮です。
みなさんは、こどもがなかなか話を聞いてくれないと感じることはありませんか?
話を聞く力はコミュニケーションを円滑にしたり、学校の授業を理解するために、とても大切な能力です。この力は普段の生活の中で伸ばしていくことができます。
今回は、こどもの聞く力についてお話しします。
聞く力
聞く力、すなわち傾聴力は経済産業省が2006年に「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として提唱した、「社会人基礎力」において重要な能力のひとつとされています。この「社会人基礎力」では「多様な人々とともに、目標に向けて協力する力」として傾聴力を重視しています。
こどもが聞く力を身に付けると
こどもが聞く力を身に付けると入学や進級、新学期などで環境が変わったときに周囲の話を聞くことができ、環境の変化に対応しやすくなります。
聞く力を身に付けると得られる力は、下記のものが挙げられます。
読解する力
人の話を聞き、何を伝えたいのかを理解することが読解力の素地になります。聞く力がしっかりと身に付いていれば、話を聞いても本を読んでも、相手が伝えたいことを読み解くことができます。
表現する力
音声を聞き取る力は、こどもの方が優れています。こどもの時期に聞く力が備わっていれば、周りの会話などから新しい言葉や表現を取り入れて、習得できます。
共感する力
人間関係を円滑にするために欠かせないのが共感する力です。共感力を発揮するためには、まずは相手の言葉に耳を傾けなければなりません。話を聞く習慣を付けることで、徐々に相手の気持ちが理解できるようになります。
我慢する力
相手が話をしているときに、話を遮らずにしっかりと耳を傾けることで、忍耐力が身に付きます。
こどもが話を聞いてくれない
こどもが話を聞いてくれないということは、多くの親が抱える悩みです。
こどもは、自分のやりたいことや別のものに興味があると、そちらが優先され、言われていることが頭に入ってきません。
こどもが話を聞いてくれないとき、みなさんならどうしますか?
こどもが聞かない話し方
こどもに行動の改善を促すためにも、注意し叱ることは必要です。しかし、叱り方によっては、こどもが話を聞かなくなることがあります。
感情的になる
忙しいときや、こどもが反抗的なときに、咄嗟に怒ってしまうことがあると思います。
頭ごなしに子どもを怒ることはよくありません。このようなことを続けていると、こどもは親は話を聞いてくれない、何を言っても否定されると学習し、「聞く力」だけでなく、脳の発育にも悪影響を及ぼしてしまいます。
「怒る」と「叱る」では意味が違います。感情的に怒ることは、自分が腹を立てているだけだということを理解する必要があります。
何かをしながら話す
何か別のことをしながら話をすることもよくありません。家事をしながら、スマホを見ながら話しても、本気で言っていないということにこどもは気付きます。
誰かと比べて話す
「○○はできたのに、どうしてあなたはできないの?」などと、他の人と比較する話し方はよくありません。
自分は人よりも劣っている、自分はダメな人間だという気持ちになります。しつけにはならず、こどもは劣等感を抱いてしまいます。
また、他者との比較は大人になっても影響します。
自己肯定感が低くなったり、何事も諦めがちになる可能性があります。
叩いてしつける
体罰でしつけることには大きなデメリットがあります。日本心理学会の発表によると、体罰や暴言はこどもの脳の発達に深刻な影響を及ぼしてしまうというデータもあります。
上記のようなことをすると、こどもは話を聞かなくなってしまいます。
こどもが聞く話し方・聞き方
それでは、どうすればこどもは話を聞くようになってくれるのでしょうか。
大切なのは親の行動です。こどもは親が思う以上に親を見ています。親の話し方や聞き方をお手本にします。こどもとの信頼関係を築けるような話し方や聞き方を心がけると良いでしょう。
聞き手と話し手は対等だと意識する
親はこどもよりも語彙が豊富ですし、親子という関係上、上の立場から話してしまいがちです。親ばかりが話さずに、こどもの話を聞き、聞くときは対等の関係であると意識しましょう。
冷静に話を聞く
こどもが話を聞いてくれないと、どうしてもイライラしてしまうものです。しかし、イライラしたまま注意すると、怒りをぶつけるだけになってしまう恐れがあります。これでは、こどもは理不尽に感じてしまいます。
もし、イライラしてしまった時は、まず6秒間だけ我慢することを意識してみましょう。
これは、「アンガーマネジメント」という怒りの感情をコントロールする方法です。人間の脳は怒りを感じた時に6秒の間を置くことで、怒りを落ち着かせることができるとされています。
こどもの目を見て話を聞く
親が目を見て話をすると、こどもは親が自分に興味・関心を持って話してくれていると認識できます。目を見て話すことは、こどもに私はあなたに関心があると伝えるメッセージになります。
否定せずに話を聞く
こどもの話をよく聞くためには、否定せず肯定的に聞くことが重要です。人は相手に否定的な態度を取られると話しにくくなります。
話を聞くときに、共感したり、こどもの気持ちになって聞くことは、こどもを理解するうえで大切なことです。
まとめ
こどもが話を聞かないと感じる原因はこどもだけにあるとは限りません。身近な親や家族の伝え方次第では、こどもが話を聞き、さらには聞く力を伸ばすことができます。
また、京都府教育委員会がご家庭での聞く力の育み方について「親と子の言葉の栞」で提唱していますので、こちらを参考にするのもよいかもしれません。
いかがだったでしょうか。こどもに話を聞かせようとする親の行動が、逆効果になってしまうことがあります。親の言動を変えることで、こどもの言動が変わるように心がけていきましょう。