こんにちは、藤島です。
朝晩の温度は大分低くなってきましたが、昼はとても気持ちのいい暖かな小春日和が続いてます。都内の紅葉も大分色づいてきました。とても美しく心が癒されます。私の故郷は岩手県ですが、コロナ禍でこの2年は帰省も出来ていません。そんな状態なので両親とは、こまめに連絡を取って誕生日や記念日にはプレゼントを贈る様にしています。
今回は『賀寿』についてお話していこうと思います。
賀寿とは『長寿のお祝いの総称』
長生きしていることに敬意を表し、喜ぶお祝いです。賀寿という呼び名の他に算賀や賀の祝、歳祝などとも呼ばれています。
賀寿の中のひとつである「還暦」は誰もが一度は聞いたことがあると思いますが、これ以外にもお祝いはいくつもあります。この風習の歴史は古く、奈良時代まで遡ることができます。715年に長屋王の「四十賀」、740年に聖武天皇の「四十賀」が行われたとの記録が残されています。当時は、「人生50年」と言われており、40歳でも立派な初老でした。鎌倉時代(1185~1333)に「古希」や「喜寿」、「米寿」、「白寿」と更に長命な賀寿が生まれました。藤原貞子(平清盛のひ孫)という貴族の女性が107歳の長命を全うしたことがきっかけと言われています。この頃の年祝いはまだ貴族の間だけの風習でした。
還暦などの歳祝いが、庶民に広まったのは室町時代(1336~1573)から江戸時代(1603~1868)の頃のようです。還暦の年祝いは、長寿のお祝いというより還暦を迎えた家長が、隠居して家督を後継者に譲り、家系が絶えることなくさらなる繁栄を願う儀式といった意味合いが強かったようです。
さて、長寿祝いをするにあたって、「数え年と満年齢、どちらを基準にしたらいいの?」と思う方もいらっしゃると思います。数え年は、 生まれた歳を「1歳」として「新年」を迎えるごとに歳を加えていくという数え方です。満年齢は、生まれた歳を「0歳」として「誕生日」を迎えるごとに歳を加えていく数え方です。
昔は数え年で祝うのがしきたりでしたが、現在は満年齢で祝うことが多くなっています。七五三などの伝統行事や「厄年」は、数え年で計算することが多いようです。
賀寿のお祝い名称と由来
還暦(かんれき)
60歳。千支(十千十二支の組合わせの60通り)が一巡し、ふたたび生まれた年に戻ること。「暦が還る」。お祝いの色は、赤・朱色など。
※十干十二支については、こちら
緑寿(ろくじゅ)
99歳、88歳、77歳の賀寿はあるのに、66歳の賀寿がなかったため、2002年に日本百貨店協会が提唱した新しい賀寿。お祝いの色は、緑。緑緑ろくろくという語呂合わせから。
古稀・古希(こき)
70歳。中国の詩人・杜甫の「人生七十古来稀なり」に由来。現代では70歳まで生きることは稀ではありませんが、昔は極めて稀であったため(「稀」と「希」は同義語)。お祝いの色は、紫色・藍色など。
喜寿(きじゅ)
77歳。「喜」という字を草書体に崩すと、七を3つ重ねた形になり「七十七」と読めることに由来。「喜きの字じの祝いわい」や「喜の字の齢(喜字齢)」とも呼ばれます。お祝いの色は、紫色・紺色・黄色など。
傘寿(さんじゅ)
80歳。傘は「仐」とも書き、分けて書くと八十と読めることに由来。「八十寿やそじゅ」と呼ばれることもあります。お祝いの色は、黄色・金茶色など。
米寿(べいじゅ)
88歳。「米」の字を崩すと「八十八」と読めることに由来。実る稲穂からの連想とも言われています。お祝いの色は、黄色・金茶色・ベージュ(べいじゅから)など。
卒寿(そつじゅ)
90歳。卒は「卆」とも書き、分けて書くと九十と読めることが由来。「鳩寿きゅうじゅ」や「卒そつの祝いわい」とも呼ばれます。お祝いの色は、白、黄色、金色、紫色など。
白寿(はくじゅ)
99歳。「百」から「一」を引くと「白」となり、「100-1=99」となることに由来。お祝いの色は、白。
百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)
100歳。100歳のお祝いは一般的に百寿と呼ばれますが、1世紀が100年であることに由来して「紀寿きじゅ」と呼ばれることもあります。お祝いの色は、白・桃色。
その他にも、81歳を半寿はんじゅ、盤寿ばんじゅ、また、90歳の卒寿を星寿せいじゅ・聖寿せいじゅと言う場合もあります。108歳を茶寿ちゃじゅ、111歳を皇寿(こうじゅ・おうじゅ)、111が川の文字に見えることから川寿せんじゅと言うこともあります。
そして、二度目の還暦を迎える120歳を大還暦だいかんれきと言います。大還暦は、人が生きられる寿命の上限ともいえる年齢です。今後の医療の発展によっては、将来的に達成する人が増えるかもしれません。ギネスブックに公認されたフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんは死亡時の年齢が122歳と164日だったそうです。地球上で120歳の大還暦を迎えた唯一の人物と言われています。
そして、天寿てんじゅ。なんと250歳!!天寿とは、天から授けられた、または天が定めた寿命とされる250歳。「天寿を全うする」としてこの言葉が使われます。
いかがでしたか?私は、初めて聞く賀寿がたくさんありました。先日、両親に「大還暦目指して、元気で長生きしてね」と話したら、母から「もう疲れました」と苦笑まじりに言われてしまいましたが😅
2022年まであと1ヵ月と1週間余り。寒さも厳しくなっていきますが、皆さんもお体に気を付けて毎日を元気にお過ごしください。