こんにちは、原田です。
全国的に連日の猛暑の中、今年も七夕の時期がやってきました。七夕といえば笹に願いごとを書いた短冊や飾りつけをして祝うもの、といったイメージがあるかと思いますが、その由来はどういったことでしょうか。
今回は七夕の由来や飾りの意味について見ていきましょう。
日にち
七夕は季節の節目に行われる年中行事です。3月3日の桃の節句(ひな祭り)などと同じ節句の中でも重要な「五節句」のひとつです。
※桃の節句(ひな祭り)については以前のブログにて紹介しているので、詳しくはそちらをご覧下さい。
七夕は一般的に、7月7日に行事を行うご家庭や学校が多いと思います。しかし、旧暦を元に8月に七夕祭りを開催する地域も少なくありません。(例として青森の「ねぶた祭り」など)
2022年の場合、旧暦の7月7日は、新暦だと8月4日(木)になります。つまり2022年の七夕は、7月7日(木)と8月4日(木)の2日があります。
由来
7月7日の夜に、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が天の川を渡って、1年に1回だけ出会えるという伝説に由来し、様々な行事やお祭りが行われます。
この物語は、中国の七夕伝説からきています。
天の川をはさんで西側に住む機織りの名人・織姫と、東側に住む働き者の牛使い・彦星が、織姫の父親である天帝の勧めで結婚しました。
しかし、二人は仲睦まじくしているばかりでまったく仕事をしなくなってしまいました。これに怒った天帝が、天の川を隔ててふたりを離れ離れにしました。
ところが、今度は悲しみに明け暮れるばかりでまったく働かなくなってしまいました。そこで、仕事に励むことを条件に、七夕の夜にだけ再会することが許され、七夕になると天帝の命を受けたカササギに乗って天の川を渡り、年に一度再会するようになりました。
二人が引き裂かれた理由は少々意外なものだったのではないでしょうか。年に一度しか会えないことから、七夕のテーマは切ない恋愛だと思われがちですが、二人が会えなくなってしまう経緯から、仕事に励み働くことの大切さを語った話であるといえるでしょう。
風習
七夕の風習には水が密接に関係しています。やはり天の川との結びつきがありますが、他にもお盆前の清めの風習にもつながっています。旧暦のお盆は7月15日なので、7月7日はお盆の準備をする頃にあたります。お盆前に身を清めたり、水回りを洗い、梅雨の時期に溜まった汚れを払う習わしがありました。
やがてこれらの風習が結びつき、江戸時代に七夕の節句が五節句のひとつに定められると、人々の間で身近に親しまれるようになりました。
七夕の飾りの意味
七夕の飾りにはたくさんの種類がありますが、それぞれにしっかりとした意味があります。飾りに込められた想いを知って、七夕の飾りつけを楽しみましょう。
短冊
一般的には五色の短冊に願いごとを書いて飾りつけます。元々は機織りの上達を願う行事だったため、物が欲しいという願いごとではなく技術の上達を願う方がよいとされています。
ちなみに七夕に飾られる五色の短冊は、世の中が陰と陽で成り立っているとする中国の陰陽五行説から由来しています。
短冊に使われる色には下記の意味があります。
○青や緑の短冊:自然を表現する「木」
○赤の短冊:炎を表現する「火」
○黄の短冊:大地を象徴する「土」
○白の短冊:土の中の金属を表現する「金」
○黒や紫の短冊:命の育みを示す「水」
吹き流し
吹き流しは織姫と彦星に関する飾り物です。織姫が使う糸を紙で表現しています。前述の短冊と同じ五色の吹流しをつくると、魔除けの意味も生まれるようです。織姫にちなみ、裁縫が上達するように願います。
折り鶴
鶴は長寿の象徴的な生き物です。鶴を折り紙で折ることで、長生きできるように願います。特に昔の人は現代人に比べて寿命が短かったので、千羽鶴を折ることで年長者の長寿を願ったといわれています。
紙衣(かみこ)
紙衣とは折り紙で作った人形や着物のことです。機織りがうまくなるようにという願いと共に、人形にわざわいの身代わりになってもらうという厄除けの意味があります。また、こどもが元気に育つようにという意味もあるようです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
普段何気なく飾り付けている七夕飾りの由来や、織姫と彦星の少々意外な会えない理由に驚いた方もいるのではないでしょうか。
一年に一度の行事だからこそ、そういった言い伝えに想いをはせながら短冊に願いごとを書くことも楽しいでしょう。