版下から製版用フィルムへ

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こんにちは、渡辺です。

前回は地図などの版下作成をお伝えしましたが、今回はその版下を使い手帳になった時にページ順になる面付け方法を説明します。

手帳の場合、16ページを1単位として1~16ページの面付け作業を決まった台紙に手作業で作った版下を貼りました。例えば160ページの手帳がある場合は台紙貼り作業を10回繰り返します。これも時間のかかる作業です。現在は版下その物がすべてデータ化されているため、現物として版下はありません。
面付け作業も今は面付けソフトがあるので、面付け作業も自動的にしてくれます。

 

話しは戻りますが、台紙に貼られた版下は写真製版作業専用大型カメラで撮影されます。版下台紙を丸ごと撮影でき、原稿の複写や拡大縮小ができるのです。一般的に製版カメラと言われています。現在はほとんど使われていません。

製版カメラで印刷工程の印刷機用の版(刷版)の原稿となる製版用フィルムを出力します。フィルムにはネガフィルムとポジフィルムの2種類があります。

ネガフィルムとは、絵柄の部分が透明(透過)で絵柄のない部分が黒色(不透過)となっている絵柄の白黒反転した状態に感光させたフィルムであり、ポジフィルムは絵柄の部分が黒色(不透過)で絵柄のない部分が透明(透過)となっている絵柄通りの黒白状態に感光させたフィルムです。

 

ネガフィルム
ポジフィルム

出力により透明のフィルムに光が透過するところとしないところが作られ、このフィルムと版を重ねて露光することによって、刷版に絵柄が焼きつけられ、印刷用の版が出来上がります。印刷方式によって、ネガ・ポジや膜面(フィルムの上下どちら側にプリントするか)といったフィルム出力仕様が異なるのも特徴的です。

オフセット印刷用の製版工程においては、写真の貼り付け、修正などの作業をおこなう場合は作業性のよい膜上のネガフィルムを使用してフィルムを作ります。最終的にまとめる集版作業では、ネガフィルムを反転させて膜下のポジフィルムにして原版を仕上げます。

しかし、出力したネガフィルムはすぐには刷版に持ち込めません。なのでオペーク作業をネガフィルムに行います。オペークとはネガフィルムの修正部分を隠すために使う不透明の絵の具を使い、筆を用いてその作業をします。汚れ等があった場合も同様の作業を行いました。

ここまでの作業を終えたところでフィルムが完成するのです。

オペーク用絵の具とオペークペン

アナログからデジタルまで40年以上が経っていますが、デジタル化された以降のスピードが著しく速いです。2010年以降の進化は更に加速しており、プリプレス部門の変革は凄まじいものがあります。

最近ではデジタル印刷が浸透し始めているので、やがて版のない印刷が現実化し、製版工程が根底から変化する日も遠くない気がしますね。

変わらないのは自分だけかと思います。せめて頭の中を少しだけデジタル化しようと焦りはしない今日この頃です。

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