正月事始め

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こんにちは、藤島です。

2021年の師走も残すところ、あと2週間と4日。今年も、あっという間の1年でした。新型コロナウイルスの感染拡大から2年以上経過し、以前の様な生活様式に戻りつつある習慣もあれば、新しい生活様式に順応した習慣も生まれています。全てが元に戻る事は難しいかもしれませんが、少しずつでも、明るい方向に進んでいけたらいいですね。

今日13日は「正月事始め(しょうがつことはじめ)」

正月事始めとは、「煤払すすはらい」「松迎え」などの正月準備に取りかかる日とされています。もともと、12月13日は「鬼宿日きしゅくにち」といい、婚礼以外のことは全て吉とされています。そのため、この日から物事を始めるのが良いとされ、1月1日の元日を迎えるために準備を始める日とされていました。「事始め」とは新しい仕事にとりかかること、物事の始まりのことを言います。また「事」とは、お正月の神事のことで、12月8日と2月8日に行う行事を総称して「事八日ことようか」「事の日」と言います。地域によってお正月を中心として12月8日を事始め、2月8日を事納めとするところと、1年の農事を中心として2月8日を事始め、12月8日を事納めとするところがあります。

「事八日」には、根菜類がたっぷり入った「お事汁ことじる」、別名「六質汁むしつじる」をいただきます。大根、人参、里芋、小豆、ゴボウ、こんにゃくなど6種類の具を入れたみそ汁です。小豆は、魔除けになるとも言われ、無病息災と五穀豊穣を願い、大地の恵みをたくさん使った寒い季節に体の芯から温まる伝統の行事食です。

煤払いの由来

神社やお寺では、建物や像の汚れをきれいにする「煤払い」が年末に行われます。年末の風物詩として、テレビで見たことがある人も多いのではないでしょうか。煤払いが正月事始めの日に行われるようになったのは、江戸時代に江戸城の煤払いが12月13日に行われていたことが由来のようです。昔は炭や薪を燃やして炊事を行っていたため、各家庭でも天井や壁の煤払いを行っていました。最近では、煤がつくことはありませんが、そのかわりに家の中を隅々まできれいにする大掃除を行います。煤払いは、神棚から始めるのがしきたりです。はたきや柔らかい布で汚れを落とし、掃除が終わったら門松やしめ縄を飾り、お正月の準備をします。

神棚の掃除が終わったら、新しく作ってきた『訶梨勒(かりろく)』を飾ります。

正月飾りは、歳神様を迎える準備として古くから続いている日本の風習です。正月飾りとは、門松やしめ縄、鏡餅などです。それぞれに意味があり、いずれも縁起が良いものと考えられています。一般的にはクリスマスが過ぎてから飾り始めますが、12月29日は「二重苦」を意味するので、この日に飾りつけるのは控えましょう。また31日は「一夜飾り」といい、歳神様への礼を欠くため、正月飾りは遅くとも30日までには飾るようにしましょう。

しめ縄

しめ縄とは、神様の領域と私たちの住む現世を分けるものです。その印となるものが、しめ縄です。しめ縄の起源は、日本書紀に見られます。天照大御神あまてらすおおみかみが天の岩戸に引きこもってしまった時に、神様たちが苦労して外に連れ出した際、再び天の岩戸に入らないようにしめ縄で戸を塞いだと伝えられてます。「しめ」には神様の占める場所という意味があるといわれています。また、農業を主体としていた日本は、稲作に対し信仰心を持っていたため、しめ縄の材料である稲わらや麻は、稲作の文化とも関連があると言われています。麻は、古来より神聖なものとして、神事慶事の場で用いられています。

しめ飾り

しめ縄に縁起物などの飾りをつけたものをいいます。神様の降臨を表す「紙垂(かみしで/しで)」、清廉潔白を表す「裏白うらじろ」、家系を譲って絶やさず子孫繁栄を願う「譲葉」、代々栄えるよう願う「だいだい」などです。元々は、神社がしめ縄を張りめぐらせるのと同じ理由で、自分の家が年神様をお迎えするのにふさわしい神聖な場所であることを示すために始まったといわれています。しめ縄やしめ飾りを結界として施すことで、その内側が清らかな場所となり、魔除けにもなるため、年神様が安心して来てくださると言われています。

伊勢では、しめ飾りは一年中飾られています。その由来はこちらから

 

裏白うらじろ 新年を迎えるための、裏まで白い誠心を表す。
馬酔木あせび 厄病除け、邪気退散として。
ひいらぎ 葉の刺は、鬼の目突きとも云われ、邪鬼の侵入を防ぐ。
だいだい 代々の意。形状も一家の円満を願って。
楪葉ゆずりは 若葉が成長すると、旧葉がこれを譲るように落葉する。
代々をゆずるという、子孫繁栄の象徴。

門松(松飾り)

歳神様をお迎えする際の目印として玄関に飾ります。飾り松、立て松とも呼ばれます。縁起の良い松や竹を使います。

鏡餅

鏡餅は、丸い形に整えたお餅を2個重ね、橙や昆布などの縁起物を飾ったもの。歳神様へのお供えものであり、神様が宿る依り代でもあります。1月11日の鏡開きの日まで飾ります。

年末の恒例行事の大掃除ですが、年の瀬はただでさえ、慌ただしい時期です。今年は、早めに取り掛かって余裕を持って新年を迎えたいと思います。

 

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