こんにちは、岩田です。
今回は暦注下段についてお話いたします。
暦注下段とは?
暦注下段は日々の吉凶を指す暦注で、昔の暦の下段に記載されていたため「暦注下段」と呼ばれるようになりました。科学的根拠のない迷信的な要素が多く、日本では政府から何度も禁止されていますが、現在では自由に使用できるようになりました。
暦注下段にも様々な種類があり、今回は吉日のものを説明します。
暦注下段の吉日
天赦日(てんしゃにち)
天赦日は歴中下段のひとつですが、選日にも書かれています。最上の吉日とされており、何をやってもうまくいくとされています。
年に数日しかないと言われている天赦日ですが、節月を用います。節月とは、二十四節気のうち、月初めの節から翌月の初めの節の前日までを1ヵ月とした数え方です。
節月と日干支の組み合わせで天赦日が決まります。
節気 | 日付 | 月の区分 | 十二支 |
立春 | 2月4日頃 | 1月節 | 戌寅 |
啓蟄 | 3月5日頃 | 2月節 | 戌寅 |
清明 | 4月5日頃 | 3月節 | 戌寅 |
立夏 | 5月5日頃 | 4月節 | 甲午 |
芒種 | 6月6日頃 | 5月節 | 甲午 |
小暑 | 7月7日頃 | 6月節 | 甲午 |
立秋 | 8月8日頃 | 7月節 | 戌申 |
白露 | 9月8日頃 | 8月節 | 戌申 |
寒露 | 10月8日頃 | 9月節 | 戌申 |
立冬 | 11月7日頃 | 10月節 | 甲子 |
大雪 | 12月7日頃 | 11月節 | 甲子 |
小寒 | 1月5日頃 | 12月節 | 甲子 |
神吉日(かみよしにち)
神社でのお参りや祭礼、祖先を祀ることが吉とされています。暦注下段は中国が由来のものが多いですが、神吉日は日本が独自でつくられたものです。神吉日は以下の33の日干支のみで決まります。
大明日(だいみょうにち)
天地が開通し、太陽の日が隅々まで照る日という意味で、全ての吉事において大吉です。特に建築や移転、旅行に良いとされています。大明日も日干支のみで決まります。
鬼宿日(きしゅくび)
鬼が宿にこもるという日で、鬼が外に出てこないため吉日となります。婚礼にまつわることは凶ですが、それ以外は吉とされています。
二十八宿の鬼宿と同じです。二十八宿については後日お話します。
天恩日(てんおんにち)
その名の通り、天の恩恵を受ける日で、祝い事に関しては大吉ですが、葬儀などの凶事は行ってはいけません。日本がかつて使用していた「宝暦暦」が由来となっています。天恩日は15の日干支で決まります。
母倉日(ぼそうにち)
母が子を育てるように天が人を慈しむ日という意味です。何事も吉で、婚姻は特に大吉とされています。母倉日は、節月と日干支の十二支の部分で決まります。
節気 | 日付 | 月の区分 | 十二支 |
立春 | 2月4日頃 | 1月節 | 子・亥 |
啓蟄 | 3月5日頃 | 2月節 | 子・亥 |
清明 | 4月5日頃 | 3月節 | 巳・午 |
立夏 | 5月5日頃 | 4月節 | 寅・卯 |
芒種 | 6月6日頃 | 5月節 | 寅・卯 |
小暑 | 7月7日頃 | 6月節 | 巳・午 |
立秋 | 8月8日頃 | 7月節 | 丑・辰・未・戌 |
白露 | 9月8日頃 | 8月節 | 丑・辰・未・戌 |
寒露 | 10月8日頃 | 9月節 | 巳・午 |
立冬 | 11月7日頃 | 10月節 | 申・酉 |
大雪 | 12月7日頃 | 11月節 | 申・酉 |
小寒 | 1月5日頃 | 12月節 | 巳・午 |
月徳日(つきとくにち)
その月の福徳が得られる日という意味で、何事も吉日です。特に引っ越しや建築などの土に関わる事柄については大吉です。月徳日は、節月と日干支の十干で決まります。
節気 | 日付 | 月の区分 | 十干 |
立春 | 2月4日頃 | 1月節 | 丙 |
啓蟄 | 3月5日頃 | 2月節 | 甲 |
清明 | 4月5日頃 | 3月節 | 壬 |
立夏 | 5月5日頃 | 4月節 | 庚 |
芒種 | 6月6日頃 | 5月節 | 丙 |
小暑 | 7月7日頃 | 6月節 | 甲 |
立秋 | 8月8日頃 | 7月節 | 壬 |
白露 | 9月8日頃 | 8月節 | 庚 |
寒露 | 10月8日頃 | 9月節 | 丙 |
立冬 | 11月7日頃 | 10月節 | 甲 |
大雪 | 12月7日頃 | 11月節 | 壬 |
小寒 | 1月5日頃 | 12月節 | 庚 |
いかがだったでしょうか。
今回は良い日ばかり話しましたが、次回は凶日についてお話していきます。
それでは!