三寒四温。少しずつ春めいてきたように感じる今日この頃ですが、花粉症に苦しんでいます。藤島です。昨年は割と楽に過ごせたこの季節ですが、今年は花粉の多さに辟易してます。くしゃみ、鼻水、目の痒みと辛い日々を過ごしております。
先日、近所の梅園に行って来ました。赤や白の花が日差しに照らされ、甘い香りを放っていました。 春は確実に近づいてきています。
今回は「ひな祭り」についてお話していこうと思います。
ひな祭りとは?
ひな祭りの起源は、300年頃の古代中国で起こった「上巳節」にさかのぼります。「上巳(じょうし/じょうみ)」とは3月上旬の巳の日という意味です。元々は女の子のお祭りではなく、春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓い行事でした。
漢の時代の中国に徐肇(じょちょう)という男がいました。徐肇は3月の初めに、3人の女の子を授かりました。が、その女の子たちは3日以内に3人とも死んでしまいました。娘の死を悲しむ徐肇の様子を見ていた同じ村の人たちが酒を持ち、3人の女児の亡骸を清めて水葬したことに由来しているとされています。
それが平安時代に「上巳の祓い」となりました。身に降りかかる災難を祓い清めるために、自分の生年月日を書いた紙の人形(ひとがた)に不浄を託し、川や海に流して災厄を祓うという祭礼になっていきました。この厄払いは下鴨神社で行われる「流し雛」の行事に再現されています。(2021年はコロナウイルスの影響により中止) https://www.shimogamo-jinja.or.jp/rituals/
この紙の人形が発展し、江戸時代以降は、雛人形・雛道具ともに豪華になり、華やかな「ひな祭り」へと発展していきました。雛壇を設けるようになったのは江戸中期からで、それまでは畳に直に敷物を敷き、人形や調度品を飾っていたようです。また、雛人形の配置ですが、関東では自分から向かって左に男雛、右に女雛を置くとされますが、京都は逆です。向かって右が男雛、左が女雛になります。京都御所の紫宸殿の御即位の式典に由来し、太陽が先に当たる側が上の位、「左をもって尊し」という古来の風習によるそうです。古いしきたりを重んじる京都ならではの飾り方ですね。また関東スタイルですが、昭和天皇が即位する時に天皇陛下が左側、皇后陛下が右側に並ばれてから配置が変わったと言われており、現在はこの関東スタイルが一般的になってます。
当時の一般家庭では雛人形はとても高価なもので、なかなか手に入らないものでした。しかし、生まれてきた子どもの健やかな成長と幸せを願う気持ちは皆一緒です。その為、雛人形の代わりとして、お母さんやおばあちゃん、親戚の方や近所の方で協力しあい、小さな人形やお飾りを作り、それを持ち寄って糸で繋げて飾る事で生まれたのが「つるし雛」です。たくさんの方の願いや想いが込められています。つるし雛の風習は全国でも珍しく、静岡県の「雛のつるし飾り」、福岡県の「さげもん」、山形県の「傘福」(かさふく)の3地域が有名で『全国三大吊るし飾り』と呼ばれています。
ひな祭りの食べ物は?
ひな祭りの定番メニューと言えば「ちらし寿司」ですね。縁起の良い具材として、えび(長生きできる様に)、れんこん(見通しの良い人生を送れます様に)、豆(マメに働き、良い仕事ができます様に)など祝いの席にふさわしいものが使われてます。菜の花、金糸卵、にんじん、ピンク色に色付けされたでんぶなどの華やかな彩りが食卓に春を運んでくれます。
はまぐりは、対の貝殻しか絶対に合わないことから、良縁や夫婦円満という意味が込められています。ひな祭りでは、ちらし寿司と一緒にお吸い物でいただきます。
菱餅は、健やかな成長を願い、緑餅(長寿や健康)、白餅(子孫繁栄)、桃色の餅(魔除け)を重ねたもので、3色で春の情景も表しています。
ひなあられは、菱餅を外で食べれる様に砕いて作ったからという話が残っています。関東は米粒大で、お米を揚げて砂糖で味付けしたものですが、関西では直径1cmくらいのあられに、しょうゆや塩などで味を付けたものとなっています。
上巳の節供に飲まれていたのは「桃花酒」(とうかしゅ)という薬酒でした。本来、桃は薬として大陸から伝わった果実で、邪気を祓い気力・体力を充実させるとされ、花を浮かべたり香りを移したりして飲んでいたそうです。それが江戸時代になって、白酒(しろざけ)に変わっていったようです。 白酒と甘酒は同じものと思われている方が多いと思いますが、全く違うものです。白酒は、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米麹を仕込んで、1ヶ月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶして作ったお酒です。アルコール分は9%前後と高いので、子どもたちには甘酒がおススメです。甘酒は炊飯器などでも簡単に作れますので、挑戦してみてはいかがですか? https://allabout.co.jp/gm/gc/22495/
令和3年3月3日のひな祭りを、ご家族みんなでお祝いしましょう。