そもそも手帳とは?④

こんにちは、髙橋です。

『そもそも手帳とは?③』の続きになります。前回はタグ:手帳とはからご覧下さい。

 

前回の続きになるのですが、手帳は企業の理念や規範を所属している人たちに浸透させるために用いられたのではないかということをお伝えしたと思います。そんな企業の理念や規範を携帯出来る手帳が世の中受け入れられたからこそ、そこから100年近く企業が手帳を作るのが当たり前の時代に突入します。

 

市販のビジネス手帳の誕生

この『手帳は企業が作るのが当たり前』の時代にいち早く市販手帳を制作したのが、日本能率協会が昭和24年(1949年)発行した「能率手帳」になります。この手帳には日本能率協会の理事 大野巌(おおのいわお)氏が、ビジネスの生産性向上のために、「時間目盛り」を盛り込んだ手帳となっており、それまでの手帳の「その日やること」という日ごとの漠然とした日にちの予定管理から、「何時に行う」という時間単位での予定を管理する当時としては画期的フォーマットでした。
当初は協会に所属している会員・法人向けに制作しておりましたが、その評判の良さより、市販のビジネス手帳として販売に至ったとのことです。
※市販されたのは、10年後の昭和34年(1959年)

株式会社日本能率協会マネジメントセンター.NOLTYについて.歴史. https://nolty.jp/history/  (参考 2020-6-30)

 

システム手帳という新しい手帳のあり方

日本人が連想する当時の手帳とは、ポケットサイズに入る小さな糸綴じの手帳のことで、所属している企業・団体から与えられたフォーマットをスタンダードとして、無意識に活用してきました。ところが、1984年に日本に紹介されたイギリス・ファイロファックス(Filofax)社製「システム手帳」が既存の手帳という概念をことごとく覆していったのです。
ファイロファックス社は大正12年(1921年)にイギリスで設立されたシステム手帳のパイオニアで「バイブルサイズ」の元祖とされています。

株式会社平和堂.ファイロファックスについて. http://www.heiwado-net.jp/firofax.html
(参考 2020-7-2)

システム手帳が覆した手帳の概念

 

価格

当時の価格で36,000円という個人で購入するにはかなりの価格であったにもかかわらず、システム手帳が「デキるビジネスマン」の代名詞であったため、 一世を風靡しました。

自由度

システム手帳は、バインダーにリフィルと呼ばれる記入ページ(日記・ノート・方眼紙・ToDo・下敷きや資料等)を自分の必要なものだけを挟み込んで使うことができ、またいつでもリフィルが追加で可能であったため、書ききれないといった記入スペースの問題も解決することになりました。

規約や便覧

これまでの手帳は発行元の理念や行動規範を必ず携帯させられていましたが、システム手帳は自分たちで望んいるものだけで構成出来る自己表現の場ともなりました。

 

このシステム手帳の流行が、手帳は「会社」から無料で与えられたものを使うということから、「自分」の仕事をより良いものとするために選んで買うものという意識へと徐々に変わるきっかけになったといえます。

 

バブル崩壊と年玉手帳の衰退

手帳がいつから買うものになったかの答えがここにあります。バブル崩壊とは、昭和48年(1973年)から続いた高度成長期の終わりのことで、平成元年(1989年)をピークに1991年~1993年の景気後退の時期を指します。

東証に上場されていた株式時価総額は1989年末611兆円から1992年8月には269兆円と半分以下になる大急落で企業の生き残りをかけた厳しい経費削減がこの時期に行われました。この経費削減において、いの一番に白羽の矢が立ったのが年玉手帳でした。

今まで無料で会社から支給されていた手帳や取引先・銀行からタダでもらっていた手帳が手に入らなくなることで、市販の手帳を使わざるを得なくなりました。つまり、手帳を使いたかったら自分で買わないといけなかったということです。

ここを境に徐々に市販手帳の市場が拡大することになり、多種多様なニーズに即した手帳や手帳活用術のような指南書が次々と発行されるようになります。

 

 

次回は、市販手帳がどのような成長を遂げ、現在に至ったかについておはなし出来ればと思います。

 

※手帳の歴史やそれぞれの出来事に関しては、手帳評論家である舘神龍彦さんの記事を多分に参考にさせていただいております。手帳の草創期から現代の手帳に至るまでの遍歴や考察が素晴らしいものとなっております。 詳しくは是非こちらをお読みください。

 

続きは下部のタグ「手帳とは」からご覧下さい。

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