こどもを伸ばす褒め方とは

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こんにちは。小宮です。

こどもは褒めて育てた方が良いと言われますが、何を褒めればいいのかわからない、叱ってばかりで上手く褒めることができない、と悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。

今回はこどもの褒め方についてお話しします。

 

こどもを褒めることの効果

こどもを褒めることの主な効果は以下のものが挙げられます。

 

親子関係が良くなる

こどもは褒められることで、「存在を認めてくれている」「自分のことを見てくれている」と感じ、親を信頼します。

 

前向きに取り組める

親に褒められ認められることで、こどもは自信を持つことができます。自信を持ったこどもは積極性が生まれ、難しいことにも積極的に挑戦するようになります。

 

人に優しくできるようになる

親に褒められることで、こどもは自分の行動が他人にどんな影響を与えるのかを学びます。人に良い影響を与える行動を学ぶと、こどもは他者に対して助けようという気持ちが芽生えます。

 

多くの親は褒めることが苦手

一般的に褒めることは、こどもの自己肯定感を伸ばすために有効だといわれています。しかし、ほめ写プロジェクトの2018年の調査では、94.5%の親がこどもの自己肯定感の重要性を認識しつつも、58.5%がこどもの自己肯定感に対して意識して行っていることはないと回答し、また56%がこどもを褒めることが苦手だと回答しています。

甘やかすことになりはしないか、こども相手に限らず人に感情を表現することが苦手な場合もあります。褒めることが大切だと理解していても、実際に褒めるとなると難しいものです。

そこで、こどもを褒める際に注意すべきことと、どのような褒め方が良いのか見ていきます。

 

こどもを褒める際に注意すること

こどもへの接し方には2種類あり、褒め方には3種類あるとされています。

 

こどもへの接し方

条件付きの接し方

子どもの行動の善しあしによって、褒美や罰を使いながら愛情の注ぎ下限を調整し、行動をコントロールしようとする

引用 : 島村華子(2020)『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳〜12歳の子ども対象』ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

無条件の接し方

行動の善しあしにかかわらず愛情を注ぎ、こどもの気持ちに寄り添う

引用 : 島村華子(2020)『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳〜12歳の子ども対象』ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

こどもへの接し方は無条件の接し方にするべき

条件付きの接し方とは、がんばったときや結果が良いときは褒めるが、がんばらなかったときや結果が悪かったとき、失敗したときは褒めない、ということになります。

条件付きの接し方のみの場合、初めはモチベーションが上がっても、行動や結果が上手くいかないことが多くなったときから自己肯定感が徐々に低下していきます。

無条件の接し方はこどもの行動が親の期待に沿わなくとも、こどもを一人の人間として尊重し、自分の存在を無条件に肯定されたと感じます。

こどもと接する際は無条件の接し方を心掛けると良いでしょう。

 

こどもの褒め方

おざなりほめ

どういうところがどういうふうによかったのか具体性に欠ける、中身のない表面的なほめ方をする

引用 : 島村華子(2020)『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳〜12歳の子ども対象』ディスカヴァー・トゥエンティワン

例「すごいね!」「上手!」

 

人中心ほめ

性格(優しさ・気遣いなど)・能力(頭の良さ・足の速さなど)・外見(顔・体形など)といった、表面上の特徴を中心にほめる

引用 : 島村華子(2020)『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳〜12歳の子ども対象』ディスカヴァー・トゥエンティワン

例「優しいね」「頭がいいね」「かわいいね」

 

プロセスほめ

努力・過程・試行錯誤して手順を中心にほめる

引用 : 島村華子(2020)『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳〜12歳の子ども対象』ディスカヴァー・トゥエンティワン

例「がんばって最後までやりきったね」「失敗してもあきらめなかったね」「いろんな方法を試したね」

 

この3つの中でも、「おざなりほめ」「人中心ほめ」はこどもの成長を妨げる、してはいけない褒め方といわれています。

結果でしか褒められなければ、外部からの承認にしか価値を見出せなくなります。また、褒められるためだけに行動するようになってしまいます。過程や努力の有無に関わらず、結果だけでいつも褒めると、こどもはがんばって努力せずともよいと感じモチベーションが低下してしまいます。

 

コロンビア大学の実験では

子どものもともとの能力(=頭のよさ)をほめると、子どもたちは意欲を失い、成績が低下する

引用 : 中室牧子(2015)『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンティワン

との結果が出ています。

こどもを褒める際には、「おざなりほめ」「人中心ほめ」には気を付けなければいけません。

 

まとめ

こどもを褒める際によい褒め方とされているのは、「プロセスほめ」です。

こどもを褒める際に大切なことは、能力や性格ではなく取り組んでいる過程での努力や創意工夫に言及し、具体的に褒めることです。

過程や努力を褒めることで、こどもがもし上手くいかないことがあっても創意工夫してがんばれるようになります。

具体的に褒めると、こどもは親が自分のことを見ていてくれると実感できます。具体的に褒めるために、質問しながら褒めることも有効です。この時の質問の仕方は「はい」か「いいえ」で終わってしまう質問ではなく、こどものがんばりや努力の過程を聞くことができるようなオープンクエスチョンを意識すると良いでしょう。

こどもは自分の行動や考えを言語化することで達成感を再認識できます。

いかがだったでしょうか。

こどもを褒めることは、こどもの自己肯定感を高めて自信を持って行動できるようになり、親子の信頼を深めることができるなど、利点が多くあります。意識して良い褒め方をしてあげてください。

 

 

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こどもを知るための1例

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(参考文献)

『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳〜12歳の子ども対象』〈著 島村華子〉

 

『「学力」の経済学』〈著 中室牧子〉

 

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