こちらの項目では印刷工程に使用される用語を説明していきます。
オフセット印刷 | シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(K)の版を出力し、印刷する方式です。印刷機の中に紙を通し、1枚の紙に4つの色を塗り重ね、イメージ通りな仕上がりの色を実現します。現在の印刷方式の主流であり、短時間で大量にこなせることが強みです。それにより単価を抑えられるので、大部数のチラシや冊子などの商業印刷に用いられます。 |
オンデマンド印刷 | 電子写真方式やインクジェット方式などを利用した、高速デジタル印刷機による印刷方式です。短納期で早い対応ができ、少部数での印刷に強みがあります。またオフセット印刷との違いに「版」を必要とせず、データから直接印刷をします。 |
紙目(T目とY目) | 紙目とは紙を構成している繊維の向きを意味しています。パルプから取り出された繊維が印刷用紙を製造する中で、繊維が機械の流れの方向に揃い紙目ができます。T目とY目は縦目と横目のことであり、できあがったロール状の用紙から断裁する方向によって紙目が変わります。 |
上質紙 | 書籍や冊子などの文字を中心とした印刷物において、最も使われることが多い用紙です。コート紙などのように表面がコーティングされていないので、鉛筆やペンで文字を書きやすい紙です。 |
色上質 | あらかじめ染料で色を付けた上質紙です。色紙・色上とも呼ばれます。上質紙を元に作られており、光沢のないマット的な質感が特徴です。色のバリエーションも豊富であり、様々な製紙メーカーから色上質紙が出されています。優しく淡い色味が多いです。 |
アート紙 | 紙の表面がコーティングされた塗工用紙のひとつです。上質紙をベースとしてツヤのあるグロス系の塗料がコーティングされており、インクの発色が良く、ツルツルした表面が特徴です。ポスターや写真集、雑誌の表紙などによく使用されます。 |
コート紙 | 上質紙などの表面をコート剤でコーティングして作られた用紙で、表面に光沢のあるツルツルした用紙です。インクの乗りが良くなるので、色が綺麗になり画像の再現性が高いです。チラシやパンフレットなど、様々な印刷物に使われるオーソドックスな用紙です。 |
マット紙 | 表面の光沢を抑えた、ツヤ消しの加工が施された用紙です。表面はツヤがない分、落ち着きのある上品な仕上がりになります。 |
裏移り、裏抜け | 裏移りとは、先に印刷した紙のインキが乾く前に次の紙が重なり、裏側にインキが移ってしまうことをいいます。また、裏抜けとは印刷をした際に表のインキが染みて裏側に抜けて汚れることをいいます。 |
くわえ(くわえ代) | 印刷機に用紙を通すときに用紙をくわえる部分を指します。このくわえの部分には印刷することはできません。一般的にくわえ代は10mm~15mmほどです。 |
見当合わせ、見当ずれ | 4色など各色の印刷において、印刷位置を所定の位置に合わせることです。また、ページ物の印刷などで各インキの重ね合わせの位置や表面と裏面の位置がずれることを、見当ずれといいます。 |
フィーダー | 印刷機において、印刷用紙を積み上げてある給紙部分を指します。サッカーという吸盤で1枚ずつフィーダーに積み上げられた紙を吸い上げ、印刷機に紙を送り出していきます。 |
ヤレ紙 | 印刷物の製造工程で無駄になってしまった用紙を「ヤレ紙」「ヤレ」といいます。印刷の際に見当合わせや色調整で使用した用紙もこれに当たります。ヤレ紙は必ず発生するものなので、印刷会社では一般的に実際の印刷に必要な枚数よりも多く紙を仕入れます。 |
刷り出し | 本番の印刷の前に、見当合わせや色合わせなどの調整のために行う準備の印刷紙のことです。数十枚ほど印刷しながら、見当や色の調整を行います。画像やトンボを見て微妙な位置を合わせたり、インキの量が安定するように調整します。品質が安定した時点で本番の印刷を始めます。 |
刷了 | 全ての印刷物が刷り上がった状態のことで、印刷完了の略です。刷了後に断裁・表面加工・製本加工などの後加工があるときは、刷了してもすぐに納品できる状態ではありません。しかし後加工がない印刷物の場合は、刷了が完成となります。 |
半裁 | 紙を半分に断裁することです。印刷用紙に対して使われる場合、全判の半分の大きさのことを指します。 |
A判、B判 | A判はISO国際標準規格であり、B判は日本で開発された規格です。A判とB判では、B判の方がサイズが大きい規格になっています。代表的な製品として、よく使用されるコピー用紙のサイズはA4で、大学ノートのサイズはB5です。 |
四六判、菊判 | 四六判と菊判は日本独自の規格です。どちらも単行本によく使用されるサイズです。 |
ハトロン判 | 一般的に包装紙によく使用されるサイズです。 |
連量 | 紙1枚の厚さは非常に薄いので、紙の厚さは1,000枚重ねた束の重量で示すのが一般的です。これを連量といいます。 |
PP加工 | 印刷後の用紙の表面に接着剤を塗布して、ポリプロピレンフィルムを圧着する加工法です。ツヤが出て、表面を保護し耐久力も上がるので、カバーや表紙に使用されます。 |
UV加工 | 印刷後の用紙の表面に、紫外線を当てると硬化するUVインキを塗装する加工法です。通常のインキに比べて乾燥が速いので、凸状の装飾がある部分などの加工に使用されます。 |
箔押し加工 | 箔を蒸着させた金属箔を、熱と圧をかけて紙に転写する加工法です。主に金色や銀色の箔を押すことで、豪華な仕上がりにすることができます。 |
用語集ー①編集・校正編
こちらの項目では編集と校正時に使用される...
用語集ー②組版編
こちらの項目では組版時に使用される用語を...
用語集ー④製本編
こちらの項目では製本工程に使用される用語...